アレックス・ランドルフというボードゲームデザイナーがいました。
みんなが楽しく遊べるゲームをたくさん作りだしました。
プレイヤーを大切にし、ゲームデザイナーの地位向上と権利を守ることにも尽力したアレックス・ランドルフでした。
2022年は、そんな彼の生誕100年です。
彼の作り出したゲームをみんなで楽しく遊び、彼の偉業を称え生誕100年をみんなでお祝いしましょう。

TALK LIVEトークライブ

 今年2022年5月4日は「ツィクスト」「ガイスター」「ハゲタカのえじき」などの作者として有名なアレックス・ランドルフの生誕100周年です。
そこで、4月29日から5月8日のゴールデンウィーク期間中にアレックス・ランドルフが作ったゲームのすばらしさを再認識するために、みんなで彼のゲームを遊んでみませんか?そして、その模様を#alex100のハッシュタグを付けて各SNS (Twitter、Facebook、Instagram、TikTokなど)に投稿して楽しさを共有しましょう!
ゲームカフェ、ゲームショップのほかゲームサークルで彼のゲームを遊べる場を提供していただける方は、こちらのフォームよりご連絡ください。当サイトで紹介させていただきます。もちろん、家族や友人同士で遊んだ模様のSNS投稿も大歓迎です。

HISTORYヒストリー

年表とともにアレックス・ランドルフの作品を紹介。
100を超える作品の移り変わりを感じよう。

1961
Pan-Kai
Phillips
アメリカ
1962
TwixT
3M
アメリカ
1965
Breakthru
3M
アメリカ
Oh-Wah-Ree
3M
アメリカ
1969
Castile
Stancraft
アメリカ
1970
Dozo
Stancraft
アメリカ
Spots
Epoch
日本
1971
Evade
3M
ドイツ
1972
Cubids
Dusyma
ドイツ
Neo-Chess
3M
アメリカ
Square off
Parker Brothers
アメリカ
1973
Banda
Ravensburger
ドイツ
Moebies
Hallmark
アメリカ
Ting-Tong
Ravensburger
ドイツ
1974
Corona
Ravensburger
ドイツ
Hepta
Ravensburger
ドイツ
Ishi
Ravensburger
ドイツ
Känguruh
Ravensburger
ドイツ
Ketten-Go
Ravensburger
ドイツ
1975
Domemo (pseud. J.P. Halvah)
Ravensburger
ドイツ
Mimikri
3M
ドイツ
Peggino (pseud. LW. Bones)
Ravensburger
ドイツ
Tasto
Selecta
ドイツ
Worterklauer
Ravensburger
ドイツ
Wunderkarten
Selecta
ドイツ
1976
Ali-Baba
Pelikan
ドイツ
Klang-Spiel
Selecta
ドイツ
Linop
FX Schmid
ドイツ
Look
FX Schmid
ドイツ
Prarie
Pelikan
ドイツ
Robin Hood
Pelikan
ドイツ
Schachjagd
Ravensburger
ドイツ
Steckli
Selecta
ドイツ
Turnier
Parker
ドイツ
Versteckspiel
Selecta
ドイツ
Victory
Pelikan
ドイツ
1977
Casablanca
FX Schmid
ドイツ
Domus
Selecta
ドイツ
Hand in Hand
FX Schmid
ドイツ
Stop!
Spear
ドイツ
Uber Bord
Ravensburger
ドイツ
1978
Choo-Choo
Milton Bradley
ドイツ
Foxy
Milton Bradley
イギリス
Parallelslalom
Ravensburger
ドイツ
1980
Dr.スランプアラレちゃん大追跡
Epoch
日本
Jeckyl and Hyde
Waddingtons
イギリス
1981
Mausefieber
ASS
ドイツ
Pferdeappel
Butehorn
ドイツ
Sagaland (with Michel Matschoss)
Ravensburger
ドイツ
イロイロパックン(with Tom Kremer)
Epoch
日本
Trimmel
ASS
ドイツ
1982
Geister
Bütehorn
ドイツ
Doe secoli di guerre
Editrice Giochi
イタリア
1984
Dominik(pseud. Sebastiano)
Selecta
ドイツ
Dr. Futsch
ASS
ドイツ
Fingertip
Selecta
ドイツ
Milliardending
ASS
ドイツ
1985
Caro Cane
Dal Negro
イタリア
Code 777
Jumbo
オランダ
Katuvu
VIFI
フランス
Tempo, kleine Schnecke!
Ravensburger
ドイツ
Top Secret
Jumbo
オランダ
1986
Derby
Derby
ドイツ
Gobble up
ABRA
デンマーク
Gute Nachbarn
ABRA
デンマーク
Leggere
Clementoni
イタリア
Super Bingo...nur das "Ding" (Kugelspender)
Jumbo
オランダ
1987
Drachenfels(with Leo Colovini)
Schmidt-Spiele
ドイツ
Eureka!(Variant by Bob Abbots Eleusis)
International Team
イタリア
Indiscretion
Piatnik
オーストリア
Spion et Spion
Milton Bradley
ドイツ
Wettflug
Ravensburger
ドイツ
1988
Fataler Fehler
Spiele Kreis Wien
オーストリア
Gute Freunde
Selecta
ドイツ
Hol's der Geier
Ravensburger
ドイツ
Inkognito (with Leo Colovini)
Milton Bradley
ドイツ
Twiddeldum(with Johann Rüttinger)
Noris
ドイツ
1989
Alle Vogel sind schon da
Noris
ドイツ
Drago Rosso
Editrice Giochi
イタリア
Schatzinsel
Jumbo
オランダ
1990
Die heisse Schlacht am kalten Buffet
Ravensburger
ドイツ
1991
African Queen
Abacus
ドイツ
Jagd der Vampire(with Walter Obert and Dario de Toffoli)
Ravensburger
ドイツ
1992
Caramba!
Amigo
ドイツ
Die Verbotene Stadt (with Johann Rüttinger)
Ravensburger
ドイツ
Fermate Colombo(with Hajo Bucken)
Mastro Geppetto
イタリア
1993
Der Rattenfanger von Hameln
Herder
ドイツ
Die Augen der Kali
Schmidt
ドイツ
In Teufels Küche
F.X. Schmid
ドイツ
1994
Brontos
Blatz
ドイツ
Check the Ripper
ASS
ドイツ
Das Pferd von Troja
Jumbo
ドイツ
Die Osterinsel (with Leo Colovini)
Blatz
ドイツ
Nosies im Kinoland
Blatz
ドイツ
Würmeln
Blatz
ドイツ
1996
Venice Connection
Drei Magier
ドイツ
Leinen los!
Haba
ドイツ
Sisimizi
Editrice Giochi
イタリア
1997
Ciao, ciao...
Drei Magier
ドイツ
Halunken and Spelunken
Kosmos
ドイツ
1998
Die Drei(Hepta, Pegs, Tedrods)
Franjos
ドイツ
Xe Queo!
Drei Magier
ドイツ
1999
Heisse Öfen
Drei Magier
ドイツ
Ricochet Robots
Rio Grande
アメリカ
2000
Dilemma
Ravensburger
ドイツ
2001
Big-Shot
Ravensburger
ドイツ
Paradox (Der dritte Mann, Schmerzhafte Stiche, Der Freund zur Linken)
Piatnik
オーストリア
Rüsselbande
Drei Magier
ドイツ
2003
Zauberlesen
Drei Magier
ドイツ
2012
Der Isses!
Drei Hasen in der Abendsonne
ドイツ
2014
Mahé
franjos
ドイツ
2019
Tonari(with Bruno Faidutti)
IDW
アメリカ
(Photos from Boardgamegeek

LOVED IN JAPAN日本で愛されている作品

日本でも広く愛されるアレックス・ランドルフ作品をご紹介。

  • ウミガメの島
    Mahé
    メビウスゲームズ
    すごろくのようにカメのコマを進めてあそぶ「ウミガメの島」。ルールも簡単でサイコロを振るたびにワクワク、ハラハラする、誰でも盛り上がること間違いナシの定番ゲームです。
  • ドメモ
    Domemo
    クロノス
    推理・心理戦が白熱する、手軽ながらも中毒性のある「ドメモ」。他人の手札の番号は見えているのに、自分の手札だけが見えないという麻雀とは逆のスタイルの斬新なルールが特徴です。
  • バイソン将棋
    Prarie
    ジーピー
    将棋好きで段位まで取ったランドルフが作った「バイソン将棋」。バイソンの群れを動かし村を襲うバイソン側と、酋長と犬を動かす酋長側が、川に挟まれた中州で繰り広げる二人専用の非対称ゲームです。
  • ガイスター
    Geister
    メビウスゲームズ
    二人用ゲームで、チェスのようにコマを取り合う「ガイスター」。ポイントは相手からはコマの区別が出来ないこと。1ゲーム10分くらいで終わるという手軽さながら、何度やっても飽きない名作心理ボードゲームです。
  • チャオチャオ
    Ciao, ciao...
    メビウスゲームズ
    自己申告でサイコロ目を宣言してコマを進めるゲーム「チャオチャオ」。嘘をつく方もドキドキですが、「嘘だ!」と言うプレイヤーにももちろんリスクが。度胸と運がものをいう、ブラフ系ボードゲームです。
  • ツィクスト
    TwixT
    ジーピー
    1961年に考案された二⼈⽤のボードゲーム「ツィクスト」。その奥深いゲーム性により「20世紀の囲碁」とも呼ばれ、50年以上経った今でも根強いファンによって⽀えられているゲームです。
  • ビッグショット
    Big-Shot
    Engames
    投資家となり、土地を買い占めるために必要なキューブを競り落とし、高価な土地を手に入れることを目指す「ビッグショット」。資産価値の高い区画を手に入れるのも大事ですが、借金地獄にはご注意を!
  • ベニス・コネクション
    Venice Connection
    JELLY JELLY GAMES
    タイルを配置しながら運河を一緒につくる二人用ボードゲーム「ベニスコネクション」。シンプルかつコンパクトながら、16枚の基本タイルと4枚の拡張タイルで濃密な頭脳戦を楽しむことができます。
  • それだっ!
    Der Isses!
    Kleeblatt
    自分の決めた色のコマを目的地まで到達させれば勝ちというシンプルなゲーム「それだっ!」。ただし、目的地に到達する前にコマの色がバレてしまうとその時点で負けてしまうので、相手の心理を読んだプレイが必要となります。
  • こぶたのおんぶレース
    Rüsselbande
    ジーピー
    コブタのコマを使って、すごろくのように進めて遊ぶ「こぶたのおんぶレース」。8枚のボードでつくられたコースですが、誰かがゴールしそうになったら、各プレイヤーが一度だけゴールを先延ばしにできるのも特徴です。
  • ハイパーロボット
    Ricochet Robots
    ジーピー
    ロボットからゴールまでの最短距離を誰よりも早く予想するゲーム「ハイパーロボット」。タイルの組み合わせで毎回違ったルートになること、プレイ人数が一人から無限と表記してあることも特徴です。
  • ライネンロス
    Leinen los!
    メビウスゲームズ
    コースを周回して港を目指すリアルタイムレースゲーム「ライネンロス」。手番のプレイヤーはコースの線に従って自分のボートを指一本で動かします。微妙に難しいボートのコントロールが楽しい6歳から遊べるキッズゲームです。
  • インコグニト
    Inkognito
    メビウスゲームズ
    それぞれがスパイとなって、プレイヤーの中から自分のパートナーを見つけ出すゲーム「インコグニト」。正しいパートナーを見つけ出し、協力して目標を達成することができれば二人の勝利となります。
  • ザーガランド
    Sagaland
    ニキティキ
    ヨーロッパに伝わる童話をモチーフにしたすごろくゲーム「ザーガランド」。王様が望むお話しが隠された木を報告し、先に3ポイント獲得したプレイヤーが勝利です。1982年ドイツ年間ゲーム大賞受賞作。
  • ワームアップ
    Würmeln
    クロノス
    イモムシ同士の熱いレースが繰り広げられるゲーム「ワームアップ」。ゴール地点が変わってしまうため、距離がどんどん離れていってしまうという不思議なレースゲームです。

COMMENTSコメント

ボードゲーム業界を牽引する方々からアレックス・ランドルフにまつわる思い出コメントを掲載。

  • 草場 純ゲーム研究家
    アレックス・ランドルフは、ユーロゲームの「作者」であると言える。
    続きを読む
    念のために付け加えると、ユーロゲームというジャンルのゲームを作ったのではない。ユーロゲームというジャンルを創ったのだ。
    かつてドイツゲームと言われた「私たち」のゲームの淵源が、アレックス・ランドルフとシド・サクソンという二人のアメリカ人に発するというのは不思議な気がする。丁度ウェルズとヴェルヌという二人のヨーロッパ人に発するSFが、アメリカで花開いたのと裏返しのようである。しかしそれは両方とも、アイディアの核のようなものが海を越えることで、ある普遍性とある特殊性を手に入れたということなのかもしれない。
    ともあれ彼ら二人の登場する前のゲームになかった何かを、彼らは創造し、それは1970年代以降のドイツに引き継がれた。それが何なのかを一言で説明することはとてもできないが、最もそれを純粋に表現したのがアレックス・ランドルフだとは言えるだろう。例えば私は、オットーマイヤー社のドメモを初めてプレイしたときの衝撃を忘れることができない。ひっくり返された手札と同時に、私の頭も心もひっくり返されてしまった。しかし札には数字以外何もない。付け加えるものも省かれるものも一切ない、純粋なゲームの姿を、私は感じざるを得なかった。
    ガイスターならもっと分かり易い。6×6の盤、8個ずつの駒、そして脱出口。ここに何かを付け加えることも、何かを取り去ることも、誰にもできないだろう。
    禿鷹の15枚の平等な手札、10枚のプラス札、5枚のマイナス札。この不思議なバランスについては、数学セミナー2021年3月号p.74で詳しく触れたのでここでは繰り返さないが、あまりに鋭すぎて人知れず破綻してしまっているほどだ。禿鷹は誰でもできるが、大会では使えないという不思議なゲームだが、このことはランドルフがいかにゲームの本質に肉薄しているか、そしてそのことを少しも面に出さないかを、表している。
    このように、ゲームの本質を最も純粋に、最も簡潔に表現したのがアレックス・ランドルフであったと、私は思う。
  • 小野卓也ボードゲームジャーナリスト
    2002年10月、エッセン・シュピールに初めて参加した私は、ランドルフと直接お話するという幸運に恵まれた。病み上がりだったらしいが、日本から来たことを伝えるとユーモアたっぷりに返してくれた。考えてみれば当時80歳。あれから20年間、ずっとこの趣味を続けていられるのも、ランドルフが切り拓いたゲームデザイナーという道のおかげだ。
  • 安田均グループSNE
    ぼくにとってランドルフさんは、最初の大人向けボードゲームを遊んだときからおなじみだった。
    続きを読む
    53年前大学に入り、ものめずらしさから買おうとして「アクワイア」か「トウィクスト」か、どちらを選ぶか‘それが問題だ’だった。あのときは「アクワイア」を選んだが、もしランドルフさんの「トウィクスト」を選んでいたら、ぼくの人生どうなっていただろう。もちろん、その後も「ハゲタカのえじき」を筆頭に、いくつも楽しませてもらっている。でも、最初に思考型の傑作「トウィクスト」を選ばなかったせいか、ぼくは「チャオヤオ」とか「イモ虫競争(Wuermeln)」「冷たい料理のアツい戦い(Die heisse Schlacht am kalten Buffet)」みたいな一風変わったものをどうしても偏愛してしまう。あれらもランドルフさんの傑作なんだ、と言ってもあまり賛成してもらえないけれど、極めつけの作品、この凄さだけは誰にも譲れない。そう、今も屹立する「イースター島(Die Oster Insel)」。みなさん、ぜひこれも遊んでランドルフさんの偉大さを今日も讃えてあげてください、永遠に。
  • いけだてつや芸人
    ボードゲームにはまり出した頃、面白かったゲームを誰が作ったものか調べると大体「アレックスランドルフ」ガイスターもハゲタカもチャオチャオも同じ作者なのか!どれもこれも悩ましく今の僕のボードゲームライフはランドルフ先生の作品でできていると言っても過言ではないです!中でもハイパーロボットはどハマりして盤面を写真に撮ってその写真をどこか行くときには持ち歩いて遊んでました。今も新鮮に遊べて色んなゲームに大きな影響を与え続けているランドルフ先生、あなたの作品は永久に不滅です!
  • 丸田康司すごろくや代表
    国内メディアの取材を受ける際、ユーロゲームを租とする近代ボードゲームの位置付けの紹介に欠かせないのがランドルフさんです。
    続きを読む
    近代ボードゲーム文化を日本の漫画文化に例えたとき、人生ゲームやUNOは『のらくろ』であり、近代ボードゲームを遊んだことないのは、例えると『ドラゴンボール』や『ベルサイユの薔薇』の類をいっさい読んだことがない状態で「漫画」というものを想像することに等しい、という比喩をよくします。アレックス・ランドルフはまさしく近代ボードゲームにおける手塚治虫であり、数多くの名作を残して「妥協しないゲームの品質」の姿勢を示してくださいました。 また彼のゲームは、美しくパーフェクトなゲーム『ドメモ / DOMEMO』の一方で、『すすめコブタくん / Rüsselbande』のような、子供でなければその良さが解らないものがあるなど、プレーヤー適性の幅の広さを持つことも特筆すべき点でしょう。 ランドルフさんのゲームは、同じゲームだとしても、プレーヤーが年齢を重ねるごとに新たな発見があります。また新たな発見ができることを楽しみに、彼のゲームを生涯遊び続けたいと思います。
  • 中道裕大漫画家
    ほとんどのゲームは基本的に経験値の分だけ有利になる。
    カタンだってカルカソンヌだって遊んだ分だけ上達する。
    続きを読む

    しかし、その経験値が通用しないのが「はげたかのえじき」だ。

    言わずと知れたアレックスランドルフの不朽のカードゲームであるが、
    これは曲者である。

    何度遊んでも山札から高得点カードが出るたび目が眩み、
    バッティングを避けようと手札に惑い、開示された結果に一喜一憂する。
    至ってシンプルなシステムにひたすら翻弄されたまま、勝ったり負けたりを繰り返す。

    いくら遊んでもいっこうに必勝法を見つけることの出来ないこの「はげたか」は
    かつて僕の一番苦手なゲームだった。

    しかし、ある時ふと気づく。
    このゲームを遊ぶ時だけ、みんなひどく平等な存在になれることに。

    年齢も性別も関係ない。初心者もベテランも関係ない。
    みんな等しく苦しそうで悔しそうで、そして楽しそうだ。

    アレックスランドルフの目指したもの。
    もしかしたらそれは、こういう空間だったのかもしれない。
    勝ち負け以上に価値のあるもの。
    みんな等しく楽しめて大騒ぎできる空間。

    その気付きから数年ー
    いつの間にか僕にとってゲームは
    自分だけが勝つものではなく仲間と楽しむものになった。
  • 畑直樹Kleeblatt代表
    保育士をしていた頃、 子どもたちとよく遊んだ『テンポかたつむり』や『すすめコブタくん』がまさか、大人として楽しんだ『ハゲタカのえじき』や『ドメモ』、『イモムシイモムシ』と同じ作者だったなんて。
    続きを読む
    当時は凄い衝撃でした。何しろ、大人向けと子ども向けのボードゲームの両方を制作する才能って、個人的には相当異なるものだと思っていますので。でもどちらもその対象年齢にぴったりの面白さで、シンプルなルールがそれを可能にしたんだと改めて、ランドルフさんの凄さを思います。楽しい時間をありがとうございます。
  • 中野将之ゲームストア・バネスト
    アレックス・ランドルフ氏の生誕100周年、おめでとうございます。
    続きを読む
    中野が本格的にゲームの世界に触れて30年弱ですが、「ハゲタカのえじき」「チャオチャオ」「ガイスター」「ウミガメの島」など、シンプルかつ選択の良し悪しで結果が返るゲーム性に、いまでも痺れる内容のゲームが多く、彼のゲームがなかったら今ゲームをやっているかどうかわかりません。
    中野は「ドメモ」なんかは自前で作ったくらいです。
    バネストが自前でルールを付けて売っていたものでは「ワームアップ」があります。大抵はとぐろを巻いて終わるのですが、ゴールを動かす発想にハッとしたものです。
    最近では、フェドゥッティとの「トナリ」も思い入れがあり、漁師の魚獲りをテーマにした内容で、どういうルートを取るかを考えて進めるかがポイントです。
    中野は、これからもいくつも彼のゲームを遊び、それらを皆様に伝え続けるだろうと思います。
  • タナカマコトテンデイズゲームズ
    彼の作り出したゲーム、それぞれの「アイデア」には驚かされる。シンプルなゲームが多く、それ故にそう感じることが多い。
    続きを読む
    しかし、彼のゲームにはそれ以上の凄みを感じるのだ。
    例えば、「ハゲタカのえじき」―このゲームでの「マイナス」のカードが出た時のルールと、ゲーム内におけるその比重は見事としか言いようがない。
    「ハイパーロボット」―ボードを組み替えて遊ぶ「モジュラーボード」を採用したことで、セットアップにおける準備負荷を限りなく抑えつつも、バリエーションの豊富さは十二分だ。
    「ガイスター」―このゲームには勝利条件が二つ用意されている。この勝利条件がもし一つだったら?逆に三つだったら?こんなことを考えれば考えるほど、「ガイスター」がいかに名作かということを再確認できるだろう。
    「アイデア」を「ゲーム」へと昇華させるためには、「何か」が必要だ。 私はゲームマニアである。ゲームの面白さを味わうのはもちろんのこと、「シンプルさ」の先にあるその「何か」に触れるため、これからも彼のゲームを遊び続けたい。
  • 朝戸一聖タンサンファブリーク代表
    ボードゲームをたくさん集めるようになったばかりの頃にその名前を知り、ゲームデザイナーって凄いんだなと初めて思ったのがアレックス・ランドルフだったと思う。
    続きを読む
    シンプルなルールなのに、いままで遊んだことがない面白さだという驚き、ゲームデザインの妙みたいなものを強く感じたのを覚えている。他にも凄いゲームデザイナーはたくさんいるんだけど、その時の驚きが大きいのか、初めて遊ぶ人にはどうしてもアレックス・ランドルフのゲームを薦めてしまう。
    初めての人にもわかる楽しさと驚きがゲームにあると思っている。もしゲームショップをやるならアレックス・ランドルフの名を借りて、阿礼楠蘭堂商店(あれくすらんどうしょうてん)にしたいとずっと思っている。もし、アレックス・ランドルフが日本に永住して(かつて日本に滞在していたので)商店を開いたとしたらというコンセプトだ。もしそうなっていたらと考えるときっとテレビゲームのようにボードゲームも大発展していただんじゃないかなと、考えるだけでワクワクする。
  • ウド・バルチドイツ年間ゲーム大賞審査員
    アレックス・ランドルフは長年、その作品だけで知っていました。私が子供の頃からもう人気でした。
    続きを読む
    思い出深いのはブラフゲーム『ガイスター』です。いとこの友達とプレイして、いつも負けていました。魔法にかかったみたいに、相手のおばけがいいおばけだと思って取ったら、取ってはいけない悪いおばけ。もう騙されないと思ったら、いいおばけは邪魔されずに出口まで行って勝ってしまうのです。ランドルフのゲームは、見事なまでにシンプルなものが多いですが、何度も挑戦したくなるような工夫が施されています。また、アレックス・ランドルフ自身がデザインした特殊な用具や精巧なフィギュアを使用することで、驚きを生み出すこともよくあります。彼のギミックに対する熱意を私は数十年後、彼と一度だけ会ったときに経験しました。ランドルフはジッパー付きのネクタイをしていて、「開いて、閉じて、開いて、閉じて」というメカニクスを熱心に実演していました。ネクタイのジッパーは全く役に立っていませんでした。だからそんなことをしていたわけですが。
  • 杉木貴文Engames
    私が初めて『ボードゲームデザイナー』という職業を意識したのは、アレックスランドルフが初めてです。
    続きを読む
    ボードゲームを始めてすぐのころ『ハイパーロボット』に触れ、パズル的な面白さに衝撃を受けたあと、 立て続けに『ガイスター』、『ハゲタカのえじき』、『チャオチャオ』を遊びました。 これらは一転心理戦の要素が強く、ボードゲームの幅の広さ、そして同じアレックスランドルフが作ったということに驚いたのを覚えています。 その後、大学に進学するにあたり、人間の意思決定、心理的な側面を研究する数学であるゲーム理論を志すことになるのですが、 このように極限まで要素を削ぎ落し、ジレンマをむき出しにしたアレックスランドルフのゲームを遊んでいたことも背景の一つとなったように思います。 ゲーム理論の基本となる『ナッシュ均衡』という概念も、言われてみれば単純でなるほどと思うものですが、 定義されたのはわずか70年ほど前のことで、そこから一気に花開いた学問分野です。 アレックスランドルフのゲームたちも、一見誰にでも思いつきそうな単純なアイディアをベースにしてはいます。 しかし、それをちゃんと『ボードゲーム』という形に仕上げることを初めて生業としたのは彼が最初期の一人であり、 いわばボードゲームデザイナーという職業の創始者であると思います。 時を経て、ボードゲームの出版を仕事とし始めてすぐに、 ご縁があり競りの名作『ビッグショット』を私から日本語版を出版することとなった際の感慨もひとしおでした。 これらの名作は時を経てもアレックスランドルフの名とともに残り続けるでしょう。
  • 秋山真琴『アナログゲームマガジン』編集長
    ボードゲームの歴史はメカニクスの歴史とも言い換えることができるように感じています。
    続きを読む
    革命的なアイディアを持つ作品は、しばしば後継の作品によってフォローされ、ひとつの潮流を生み出します。現代において遊ばれている新作の系譜をさかのぼってみると、しばしば辿り着くのがアレックス・ランドルフのゲームです。わたしは推理ゲームを専門としているので、伏せられた数字を推理する、相手の手の内を推理する、相手の正体を推理する、最適解を推理する──こうしたゲームを系統だてて調べたことがありますが、いずれもランドルフのゲームが原点にありました。生前にお会いする機会には恵まれませんでしたが、残してくださったゲームに遊ぶことで、これからもその思考の閃きに触れていきたいと思います。生誕100年、おめでとうございます。
  • 新澤大樹ゲームデザイナー
    初めてランドルフ作のゲームに触れ、3,4時間繰り返し遊んだことを昨日のように思います。
    続きを読む
    老若男女問わず、経験の有無も問わず、楽しめるゲームの数々、洗練されたルールに夢中になって、こうでもないああでもないという時間はとても貴重な時間でした。そのルールの切れ味の高さにボードゲームを作るという点でも影響を受けたゲームデザイナーは多いと思います。そんな宝石のような時間をたくさんのプレイヤーやデザイナーに与えてくれたアレックスランドルフ氏に感謝です。これからもきっとランドルフのゲームは何年も遊ばれることでしょう。
  • 阿曽山大噴火芸人
    新たに物事を考え出すことを発明というそうです。過去の人間には魔法の様に思える物凄く便利になるものとか、物の見方が変わったりするちょっとしたアイデアとか。
    続きを読む
    ボードゲームを遊んでいると「このルール考えた人天才だ…!」と衝撃を受けることが多々あります。新しい脳の使い方に気持ち良さを感じるゲーム。ランドルフのゲームにはそんな発明が沢山あると思います。100年前の人々は楽しめてない様々なアイデア。ランドルフより後に生まれ、遊べている喜びを噛み締めています。
  • 河上拓編集者
    「僕が彼なら間違いなくこっちだな・・・いや、待てよ。たぶん彼はそこまで考えていないはず・・・」
    続きを読む
    とゲーム開始から数分で、まるで賭博漫画の主人公のように疑心暗鬼にかられた自分と、それをたしなめる少し冷静なもうひとりの自分が脳内で対話を始める。 『ハゲタカのえじき』『チャオチャオ』『それだっ!』。僕の好きなランドルフのゲームはどれも人対人、対面ならではの心の読み合いがデザインに組み込まれているのが特徴だ。 相手のちょっとしたクセや言動を判断材料にした心理戦と、そこから派生する見当違いやメタ情報、山勘までも内包した遊び。 おのずと感想戦が盛り上がるし、それを踏まえた再プレイは白熱したものになる。さらに再プレイの感想戦はより一層盛り上がって・・・(以降無限ループ)。 これらの名作を軽くプレイしたことがある人も、この機会にぜひ何度か続けて遊んでみてほしい。天才デザイナー、そしてユーロゲームの真髄に触れることができるはずだ。
  • 能勢良太メビウスゲームズ
    ハゲタカのえじきやガイスターのように、誰でもが思い付きそうで思い付かなかった、シンプルで素晴らしいゲームシステムこそは、ドイツゲームの神髄だと思っています。 2000年ごろに本人に会ったことがあるのが自慢です。
  • 白坂翔JELLY JELLY CAFEオーナー
    手塚治虫が「マンガの神様」なら、アレックス・ランドルフは「ボードゲームの神様」といえるでしょう。彼のゲームデザインは引き算が美しい。むやみやたらに盛るということをせず、限りなく少ない要素の組み合わせだけで世界中のボードゲーマーたちを虜にしてきました。100周年、おめでとうございます!

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アレックス・ランドルフの貴重な写真たち。(提供:能勢良太)

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アレックス・ランドルフ生誕100周年イベントに賛同していただいているゲームカフェ・ゲームショップ・ゲームサークルの一覧を掲載させていただいております。